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UID

PeacoQ . Hiroshima

UID . PeacoQ . Hiroshima afasia (1)

Keisuke Maeda / UID . photos: © TOREAL

Curved house for a family in Hiroshima.
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緩やかに湾曲する雛壇状の宅地北面角地に建つ家族3人の住まいである。

周辺環境は東面にある土手を挟んで住宅街が広がっており、敷地からも土手越しに長閑な風景が望むことができる。敷地は南西面が隣家に囲まれつつも北東の前面道路に対して扇形に開かれた特徴的な場所であった。

今回計画にあたり南西面を中心点に前面道路側に向かって同心円状に壁を増幅させながら内向的居場所から外部へと弧状空間を反復させた。また周辺の緑地帯をも外部空間として見立てることで全体を捉えていくような領域のない形式をこの特異な敷地で再考してみた。

具体的には道路斜線制限上可能な建築のボリュームを敷地境界際まで伸ばし、敷地形状に沿った弧状の大きな壁によって生まれた小さな庭を内外のバッファとして機能させた。

この壁はいくつかの開口が穿たれた物量のある土壁とし、地表面より700㎜程度浮遊させることによってプライバシーを確保しながら外部の延長としての内部のような空間をつくりだしている。また弧状による形態から刻々と変化する南からの陽光を北東壁面に映し出し各居室から光の様相を感じることができる。

家族の居場所と道路境界までのわずかな距離を小さな立体的ランドスケープと浮遊する大きな1枚の壁によって人が関わりをもつ範囲を広げながら与件を満たす豊かな環境が生み出せたのではないかと思う。
(前田圭介 / UID)